テレビCMや車内広告などで、「カードローン」の宣伝を目にします。
「お金を借りられるサービス」という事くらいは皆さんもご存じでしょうが、詳しいサービス内容は知らない人は多いはずです。
特に「お金を借りること」に関して、何となく恐怖心を感じる人もいるかもしれません。
実際にはカードローンは安心して使えるサービスですが、注意すべき点もあります。
ここではカードローンの特徴や利用上の注意点について、分かりやすく解説します。
目次
そもそもカードローンとは?キホンを解説
カードローンとは?
「カードローン」とは、銀行や消費者金融などの金融機関から、無担保・無保証人で少額借入ができるローン商品のことです。
ここでいう「少額」とは、10万円から50万円を指しますが、審査に通れば数百万円の借入も可能です。
会社が発行するローンカードを使ってATMで借りることもできますし、振込で自分の口座に入金することでお金を借りることも出来ます。
詳しくは後で解説しますが、手軽さや融資までのスピードに優れている点が特徴です。
カードローンは3種類ある
カードローンは、貸主の業態によって、以下の3種類に分けられます。
消費者金融 | 銀行カードローン | 信販系カードローン | |
---|---|---|---|
メリット | ・即日融資に対応 ・無利息サービスあり |
・ブランド力・安心感がある ・限度額が高い ・金利がやや低い |
・独自の特典・サービスがある ・金利がやや低い |
デメリット | ・金利が高い | ・即日融資が出来ない ・審査が厳しめ |
・審査までに時間がかかる ・即日融資が出来ない |
<消費者金融カードローン>
「消費者金融カードローン」は、消費者金融が提供するカードローンです。
大手で言うと、プロミスやアコムなどがあります。
消費者金融の最大の特徴は、審査スピードの早さです。
最短30分で審査結果が出て、即日融資も可能です。
上限金利は年率18%程度となっています。
<銀行カードローン>
「銀行カードローン」は、銀行が発行するカードローンです。
メガバンクだけでなく、地方銀行でもカードローンを取り扱っています。
銀行カードローンは即日融資に対応しておらず、審査結果の通知は最短でも翌営業日になります。
銀行カードローンの上限金利は年率15%程度と、消費者金融より少し低めです。
ただしその分、審査はやや厳しめだと言われています。
<信販系カードローン>
「信販系カードローン」は、信販会社が扱うカードローンです。
「CREST」(オリコ)や「カードローン FAITH」(JCB)などが、代表例なカードローンです。
信販系カードローンの特徴は、特典やキャンペーンが充実していることです。
月に数回までATM手数料が無料になるなどの、独自のサービスが用意されています。
<関連記事>:信販会社とは?分かりやすく解説します
カードローンとキャッシング・他ローンとの違いは?
カードローン以外にもお金を借りる手段として、「キャッシング」や「目的別ローン」、「フリーローン」などがあります。
カードローンとの比較を交えながら、順に見ていきます。
<キャッシング>
「キャッシング」は、「小口の借入」を指す言葉です。
一般的には、「クレジットカードのキャッシング機能を使った借入」という意味合いで使われることが多いです。
ただし「カードローンの借入」と言う意味合いでも、キャッシングという言葉が使われる場合もあります。
クレジットカードのキャッシングは手軽さが最大の売りで、普段ショッピングで利用しているカードで借入もできます。
金利は一律18%程度というケースが多く、カードローンと比べるとやや高めです。
また審査に1週間ほど掛かる場合もあり、急ぎの借入には向いてません。
<関連記事>:キャッシングとは?カードローンとの違いを解説
<フリーローン>
「フリーローン」とは、銀行が提供する個人向けの融資サービスです。
金利は変動・固定タイプかによりますが、年率5~10%であることが多いです。
有担保型(担保を提供)と無担保型(担保提供なし)の2タイプあり、有担保型だと金利はさらに低くなります。
カードローンの金利と比べると、かなり低いことが分かります。
注意点として「フリーローン」という名称ではありますが、事業資金としての利用は認められていません。
銀行によっては、使い道を確認できない資金や、生活資金としての利用もできない場合があります。
<目的別ローン>
「目的別ローン」とは、資金用途をあらかじめ決めた上で借入を行うローンです。
自動車ローンや教育ローン、リフォームローンなどが代表例です。
フリーローンと同じく、証書貸付(=契約時に一度しか借入できない)の形態です。
目的別ローンの最大の特徴は、金利の低さです。
自動車ローンは年率2~3%、教育ローンは年率3~4%、リフォームローンは年率1.8~3.5%ほどです。
ただし金利が低い分、審査は厳しくなり、融資スタートまでにも1~3週間ほどかかります。
カードローンの利用状況は?
カードローンは、どのくらい利用されているのでしょうか。
消費者金融と銀行カードローン、それぞれの市場規模を見ていきます。
以下は2014年以降の、消費者金融の貸付残高の推移です。
<外部の関連サイト>:月次統計資料 | 日本貸金業協会
貸付残高は右肩上がりで伸びており、ここ5年間では20%近く増加しています。
<関連記事>:消費者金融とは?分かりやすく解説!
<出典>:銀行カードローンのフォローアップ調査結果について|金融庁
銀行カードローンの貸付残高は2012年以降、増加し続けていましたが、2017年をピークに減少しています。
銀行の過剰融資が社会問題になり、2017年から審査が厳格化した影響が出ていると思われます。
それでも貸付残高は2020年の時点で5兆5億円と、消費者金融の2倍以上の額を誇っています。
<関連記事>:銀行カードローンのデメリット(危険性)とは?利用上の注意点を解説
ところでカードローンの利用者は、借入金を何に利用しているのでしょうか。
全国銀行協会の調査によると、銀行カードローン利用者のうち、資金用途の第1位は、「日常の生活費(食費・日用品など)」でした。
次いで「レジャー・趣味・娯楽」、「家賃の支払い」となっています。
カードローンの申し込み・借入用条件は?
カードローンを利用するまでの流れ
カードローンの申込から融資までの主な流れは、以下の通りです。
カードローンを利用するまでの流れ |
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申し込みはインターネット、電話、無人契約機、店頭窓口など、幅広く対応していますが、一番便利なのはネットからの申し込みです。
申し込みで必ず必要な書類は、本人確認書類です。
運転免許証やパスポートなどがあれば、問題ありません。
借入希望額が50万円を超える場合は、収入証明書の提出も求められます。
カードローン会社は、申し込みを受けると審査に移ります。
カードローンの申し込み条件は、後ほど説明します。
また審査の一環で、勤務先への在籍確認が行われます。
審査に通過すると、契約手続きに入ります。
ウェブ上だけで契約手続きを行える会社もありますが、契約機まで出向く必要の会社もあります。
契約が完了すると、契約機か郵送でローンカードを受け取ります。
ただし会社によっては、ローンカードがない場合もあります。
借入はローンカードを使って提携ATMで引き出すか、自分の口座へ振り込む方法があります。
特に振込については、ネット(スマホ)から依頼できる会社もあります。
カードローンの申し込み条件は?
カードローンの申し込みには、原則として以下の2つが条件となります。
・満20歳以上であること
・安定収入があること
たとえ収入があっても、未成年者は利用できません。
また会社によっては、70歳以上の申し込みを認めていない場合もあります。
安定収入の目安は、週3日以上の勤務があることです。
正社員である必要はありませんが、収入のない専業主婦や、単発バイト・派遣の人は利用不可です。
カードローンの審査内容は?
カードローンの審査は、消費者金融と銀行カードローンで微妙に違います。
消費者金融では、スコアリング評価と目視チェックによる2段階で審査が行われます。
スコアリング評価では、申し込み時の入力データを元に社内システムが機械的に点数を算出します。
目視チェックでは、担当者が申し込み内容に不備がないか確認します。
また担当者による、勤務先への在籍確認の電話も行われます。
銀行カードローンの審査でも、こうしたスコアリング評価・目視チェック・在籍確認を行う点では同じです。
ただし銀行カードローンでは銀行による審査に加え、保証会社による審査もあります。
審査基準は各社とも公表していませんが、安定収入に加え年収・職業・結婚(独身か既婚か)・居住(賃貸か持ち家か)など、評価の対象になっていると言われています。
<関連記事>:カードローンの審査の流れと審査基準
カードローンの貸付条件は?
以下は大手の消費者金融・銀行カードローンの、金利と限度額をまとめたものです。
消費者金融カードローン | 金利(年率) | 借入限度額 |
---|---|---|
プロミス | 4.5%~17.8% | 1万円~500万円 |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
アコム | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
アイフル | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
銀行カードローン | 金利(年率) | 借入限度額 |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 10万円~800万円 |
三菱UFJ銀行 バンクイック | 1.8%~14.6% | 10万円~500万円 |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 10万円~800万円 |
オリックス銀行カードローン | 1.7%~17.8% | 10万円~800万円 |
表からわかるように、銀行カードローンの金利は、消費者金融と較べて若干低めです。
初回契約ではどの会社を選んでも、借入限度額は50万円程度で上限金利が適用されるケースが多いです。
そのため金利だけで選ぶなら、銀行カードローンの方が有利です。
カードローンの契約額は、総量規制の影響を受ける
「総量規制」とは、個人の借入が年収の3分の1までに制限される仕組みです。
消費者金融は総量規制の対象なので、契約額が制限されます。
一方で銀行カードローンは総量規制の対象外なため、年収による借入制限は(法律上)ありません。
ですが最近では総量規制を意識して、貸出を抑える銀行も増えています。
カードローンの魅力とは?5つのメリット
1. 保証人・担保なしで借りられる
一般的に銀行などでお金を借りる場合、担保や保証人が必要になります。
例えば住宅ローンでは、購入する家が担保になります。
ですがカードローンなら、担保や保証人は不要です。
厳密には銀行カードローンの場合、保証会社が必要になりますが、銀行が勝手に用意してくれるので、こちらが何かする必要はありません。
2. 限度額の枠内なら、何度でも借りられる
住宅ローンなどの目的別ローンやフリーローンでは、一契約につき借入は一度だけという証書貸付の形態がとられています。
追加のお金が必要になった場合は、もう一度審査を受ける必要があります。
それに対してカードローンは、借入枠を設定する契約です。
借入枠(契約額)の枠内なら、審査なしで何度でも借入できます。
すぐに借りる予定がなくても、とりあえずカードローン枠だけ設定しておくことも可能です。
もちろん利息が発生するのは、実際に借入した時だけです。
<関連記事>:極度借入額とは?利用限度額との違いを解説
3. 融資までのスピードが早い
他のローンに比べて融資スピードが早いのも、カードローンの特徴です。
例えば自動車ローンの場合、融資までに1~2週間程度かかります。
銀行のフリーローンでも、審査に1週間はかかります。
ですが銀行カードローンなら最短で翌営業日、消費者金融なら最短30分で審査結果が出ます。
特に消費者金融カードローンなら、申し込み当日の借入も可能です。
<関連記事>:即日融資ランキングを解説!どのカードローンが選べばよい?
4. 使い道が自由に決められる
住宅ローンや自動車ローンの場合、借りたお金の使い道が限定されます。
フリーローンも上で見たように、銀行によって一定の用途制限があります。
審査にあたって、資金用途と必要金額を確認できる資料の提出を求められる場合もあります。
一方でカードローンは、原則として使い道は自由です。
カードローン利用者は、生活費や趣味・海外旅行など、様々な目的で借入をしています。
ただし多くのカードローンでは、事業資金のための借入は不可となっています。
まとまった金額を事業用に借りたいなら、ビジネスローンの利用を検討しましょう。
5. 振込やコンビニATMで借入・返済が可能
カードローンの契約をすると、ローンカードが発行されます。
ローンカードさえあれば、全国のコンビニATMから借入・返済ができます。
外出先で現金が手元にないときに、コンビニのATMで3万円だけ借りる、なんて使い方も可能です。
ネット(スマホ)取引が充実してるカードローンなら、スマホの操作一つで借入や返済も可能です。
また最近では一部の消費者金融が、ローンカードを使わずにATMでの借入が可能なアプリを導入しています。
ローンカードを持っていなくても、アプリで同じことが出来るので大変便利です。
カードローンを利用する上での注意点は?
金利が高い
以下はカードローンと、その他のローンの金利を比較した表です。
ローンの種類 | 金利の相場 |
---|---|
銀行カードローン | 3.0%~15.0% |
消費者金融カードローン | 5.0%~18.0% |
自動車カードローン | 2.0%~3.0% |
教育ローン | 2.0%~5.0% |
フリーローン | 6.0%~7.0% |
上限金利は消費者金融で18%、銀行カードローンで15%と、他のローンと比べて高く設定されていることが分かります。
カードローンの金利が高い一番の要因は、貸し手側のリスクの高さです。
融資までのスピードが重要になるカードローンでは、審査に時間をかけられないので、他のローンよりも審査が甘くなりがちです。
貸し倒れリスクも上がるので、その分だけ金利が高くなります。
また別の要因として、借りたお金の用途(使い道)を制限していないことも挙げられます。
自動車ローンなどの目的別ローンは、資金用途が制限されている分、審査で信用力を見極めやすいので、金利を低くできます。
<関連記事>:お金を借りるなら、どこがおすすめ?
高額の借入には不向き
ここまで見てきたように、カードローンのデメリットは金利の高さです。
金利が高いのに高額借入をしてしまうと、返済が長期化して利息が膨らんでしまいます。
つまりカードローンは短期間の少額借入には便利ですが、高額の(長期の)借入には不向きです。
もちろん審査に通れば、300万円でも500万円でも借入可能です。
ですがそれだけ借りるならば、金利が低めのフリーローンなどを利用したほうが返済負担を抑えられます。
<関連記事>:消費者金融でお金を借りるデメリットとは?
手軽なのでつい借りすぎてしまう
カードローンは気軽に借りられるだけに、借りすぎは禁物です。
もちろん利用者による過剰な借入を防ぐための施策は、色々と用意されています。
その一つが先ほど紹介した、総量規制(=個人の借入が年収の1/3まで)です。
この規制は(消費者金融など)貸金業者からの借り過ぎによる多重債務を防ぐ目的で、2010年に導入されました。
銀行カードローンは総量規制の対象外ですが、融資枠を年収の1/3程度に抑える銀行が増えている点も先ほど説明した通りです。
このためカードローンによる借り過ぎは原則できないはずですが、失職・転職したのをキッカケに収入が激減し、返済が一気に苦しくなる事例は数多くあります。
いくらカードローンの借入枠があるからといって、借入するのは無理なく返済できる範囲内に留めて下さい。
銀行カードローンと消費者金融、おすすめはどちら?
ここまでカードローンについて見てきました。
ですが実際借りるにあたって、消費者金融と銀行カードローンのどちらを選べばよいか迷ってしまう人も多いと思います。
ここでは消費者金融と銀行カードローンを比較して、どちらを選ぶべきか解説します。
消費者金融の魅力は?
消費者金融の魅力は、以下の3点です。
消費者金融の魅力 |
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消費者金融は審査が早いだけでなく、申込条件や審査もそこまで厳しくありません。
一部の銀行カードローンのように、申込時に口座を開設する手前はかかりません。
銀行に較べてスマホ完結のサービスが充実しており、スマホから借入・返済が行えます。
借入までのスピードや利便性という点で、銀行カードローンより上です。
銀行カードローンの魅力は?
銀行カードローンの魅力は、以下の3点です。
銀行カードローンの魅力 |
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やはり世間のイメージは銀行の方が高く、利用時の心理的ハードルも下がります。
また金利が多少低い上に、目先の返済負担は銀行カードローンの方が軽いです。
以下の表にある通り、銀行カードローンは毎月の最低返済額が消費者金融に較べて低めです。
金融機関名 | 最低返済額(10万円の場合 | 最低返済額(100万円の場合 |
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三菱UFJ銀行 | 2,000円 | 22,000円 |
三井住友銀行 | 2,000円 | 16,000円 |
アイフル | 5,000円 | 30,000円 |
アコム | 5,000円 | 30,000円 |
消費者金融に較べて少ない返済額で済むので、無理なく返済を進められます。
その分だけ返済期間は伸びますが、気になる方は繰り上げ返済を積極的に活用すれば返済期間を短くできます。
<関連記事>:銀行カードローンのおすすめランキング
消費者金融がオススメな人
即日でお金を借りたい人は、迷わず消費者金融を選ぶべきです。
最短30分で審査結果が出るので、急にお金が必要になった時でも対応できます。
また家族に内緒でお金を借りたい人も、消費者金融がおすすめです。
完全スマホ完結の取引であれば書類の郵送をなしにできるので、書類が自宅に届いて借入がバレるリスクもありません。
また銀行を使わない借入もできるので、口座に記録が残らず、家族に通帳を見られても安心です。
<関連記事>:消費者金融のおすすめランキング!
銀行カードローンがオススメな人
銀行カードローンは、ブランド力を気にする人におすすめです。
たとえキャッシングを知られたとしても、銀行カードローンであれば周囲の理解は得やすいはずです。
自宅に郵便物が届くこともありますが、銀行名で届くため、家族から悪い印象を持たれないでしょう。
金利や目先の返済額を少しでも抑えたい人も、銀行カードローンを利用するのが良いでしょう。
ただし毎月の返済額が少ない分、返済が長期間して返済総額が重くなる点には、注意が必要です。
<関連記事>:【低金利で選ぶ】カードローン上位15社を比較!
ここまでカードローンの特徴や利用上の注意点について、見てきました。
消費者金融か銀行カードローンによっても、メリット・デメリットは変わってきます。
注意点を踏まえた上で、自分に合った借入方法を選んでください。
この記事のまとめ |
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