誰しも、お金がないと不安になりますよね。その不安が大きくなると、ストレスとなって生活に色々な影響が出てきます。
そこで今回は、お金がないストレスの恐ろしさと、そのストレスを解消する方法について解説します。
目次

この記事の監修者: FP 生川 奈美子
株式会社アスト代表取締役。保有資格はCFP®、1級FP技能士、相続診断士など。「わくわくの明日と共に」をモットーに、不安から安心へ変わる、ライフプラン作成や家計相談、相続相談などのコンサルタントとして活動中。
お金がないストレスの特徴って何?
ここでは、お金がない人が抱えがちなストレスの中身・特徴について、見ていきます。手っ取り早くストレスの解消法を知りたい人は、「お金がないストレスを解消したい!その対処法は?」をクリックして下さい。
お金がないことがストレスになる理由
そもそもお金がないことがストレスになるのは、なぜでしょうか?それは現代社会の生活が、お金を中心に回っているからです。
食料品や衣服、住居など、生活するのに必要最低限のものを揃えるのに、お金は必要です。自給自足の生活をしていれば話は別ですが、そんな人はほとんどいません。
つまり大多数の人にとってお金がないことは、生活できないことに直結します。そこで買い物をずっと控えたり、仕事を頑張りすぎたりして、ストレスが生じてきます。
お金がないストレスの恐いところ
ほとんどの人は、お金の問題を人に相談しづらいと感じていると思います。できれば自力・短時間で解決したい、と考える人は多いはずです。
しかしお金のストレスには、特に恐いところが2つあります。
<1.悩みが継続する>
「お金がない」という不安は、大抵が一時的なものではありません。たとえば収入の低さや浪費癖といった、短期的に解決が難しい原因から来るのが大半です。
<2.他のストレスに派生する>
経済的な不安は、生活全般の不安に繋がります。そこで過度な労働に走りストレスとなったり、節約を意識し過ぎてストレスを感じたりします。
特に現代は頑張って働いてもなかなか収入が増えず、働くこと自体ストレスに感じる人も多いです。場合によっては、お金のないストレスは心身に影響することもあります。
他のストレスへの派生については、「お金がないストレス、生活にどんな影響があるの?」で詳しく説明します。
お金がない人は、どんなストレスを抱えてる?
ここでは、お金のない人が具体的にどんなストレスを抱えているのか、見てみましょう。
<お金がないと考えること自体ストレス>
お金や家計のことで悩むのがとても嫌になり、それを考えること自体がストレスになる場合もあります。お金のことを考えなくなると、お金の管理がルーズになります。
そうなると更にお金が貯まらなくなり、お金がなくなる悪循環に陥ります。
<思ったことができない>
何をするにも、大抵のことにお金は付きものです。何かやりたいことがあってもお金がなければ、挑戦できないことも多いでしょう。その不満や無念さが、ストレスに繋がります。
<将来への強い不安>
お金がないと、将来への不安も強くなります。生活費や教育費が払えないといった遠くない将来の不安から、老後の生活のような遠い将来の不安まで、期間にも幅があります。
将来への不安は、長く引きずる傾向にあり厄介です。
<失業を恐れて仕事がストレスになる>
収入が途絶える不安から、お金がない人は仕事を失う恐怖心が強くなることがあります。仕事を失わないよう、理不尽な仕事にも無理して応じたりして、仕事そのものがストレスになる場合もあります。
<人間関係が悪くなる>
大学のサークルや職場の飲み会など、人付き合いにはお金がかかります。友人とショッピングに行くこともあるでしょう。
そんな時、お金がないと飲み会やショッピングそのものが苦痛になります。節約のために飲み会の欠席が続いたりして、付き合いも悪くなりかねません。
またお金がないとその使い道について、家族と意見が合わない場合もあるでしょう。特に家族の誰かが浪費家だったりすると、強いストレスを感じます。家族で対立しあう可能性もあります。
<病気やけがでの突然の支出>
急な病気やけがで計画外の支出があると、強いストレスを感じるかも知れません。医療費が発生するばかりでなく、通院や入院で収入が減る・途絶える恐れもあります。
出費を抑えるため病院に行くのを我慢したり、それで病気やけがが悪化してなかなか完治しなかったりすると、それも強いストレスになります。
お金がないストレス、生活にどんな影響があるの?
上では、お金がないことによるストレスの中身を説明しました。ここからは、お金がないストレスが実生活にどんな影響を与えるか、詳しく見ていきます。
浪費に走る
「何かがない」「何かが足りない」と感じると、人間の脳は処理能力が低下します。そのため忍耐力が働かなくなると、ある経済学者は説明しています。
つまり「お金がない」と感じることで我慢ができなくなり、浪費に走ってしまうのです。お金のないストレスは浪費を招き、さらにお金がなくなる悪循環に陥ります。
健康に害を与える
お金がないストレスは心理的なものですが、健康にも害を及ぼします。特にリスクが高いのが、肥満と睡眠不足です。
<肥満>
ある大学の研究の結果、借金が11万を超える学生には、肥満でだらしない生活をしている傾向がありました。また別の調査では、借金を減らせないストレスを抱える人ほど、体重が増え太っていくと結果が出ています。
つまりお金がなくなると、自制心が効かなくなる可能性があります。その結果、食事の量を調節できず肥満に繋がります。
<睡眠不足>
2008年ピッツバーグ大学の実験で、経済的に苦しい人ほど睡眠の質が低下している、という相関関係が確認されました。ただしこれは収入の低さが危険なのではなく、お金がないというストレスが危ないことを意味します。
つまり収入の大きさに関わらず、お金に不安がある状態が睡眠の質を悪くします。
気持ちが落ち込みやすくなる
「借金のストレスレベル」に関するアメリカの研究では、借金のストレスが心身に与える悪影響が明らかになりました。借金のストレスがある人は、ない人に較べて、うつ病になるリスクが6倍、他人に八つ当たりするリスクが7倍となりました。
この結果から、借金のストレスは気持ちの落ち込みを強くするだけでなく、他人との関係にも影響を与えるリスクがあることが分かります。借金によるストレスは、人間関係を崩す危険もあります。
酒とタバコの量が増える
ニューヨーク大学の研究では、収入の低い人ほどお酒とタバコの量が増える傾向にあることが分かりました。収入の低い人は、収入の高い人の1.3倍の多さでした。
また2009年の禁煙成功率を比較した研究では、借金が多い人ほど禁煙できないという結果が出ています。お金のないストレス・借金のストレスによって、酒とタバコの誘惑に弱くなると言えます。
思考力が低下する
お金がないストレスは、思考力にも影響します。2013年アメリカで行われた研究では、大きめの出費を想定した際、年収が高めの人はIQの低下が少なかったのに対し、年収が低めの人はIQが40%も低下しました。
普段のIQに関係なく年収が低い人は、お金がなくなる不安で思考力が低下する傾向があると分かりました。逆に言えば、給料やボーナスが入って不安が和らぐと、思考力も元に戻ります。
<関連記事>:審査の甘い消費者金融はナゼ危険なの?
お金がないストレスを解消したい!その対処法は?
収入を他人と比べない
そもそもの心構えとして、自分の収入を他人と比べないことです。そもそも収入は、その人の置かれた環境・経歴・年齢・運などによって変わってきます。
あなたや他人の年収が、あなたや他人の価値を示す訳ではありません。他人と比較するよりも大切なのは、自分の収入や生活の範囲で充実するよう、生活を再設計することです。
家計の見直し
なかなかお金が貯まらないなら、まず家計の見直しをオススメします。貯金を増やすには、支出を収入よりも小さくする必要があります。
そのために収入を増やすことは難しいですが、支出を抑えることは難しくありません。生活にかかるコストを理解して、大きな支出から減らして行きましょう。
出費を必要最低限の抑えることが、金欠を解消する一番の近道です。そうすれば貯金も貯まり、安心感からストレスも軽減されます。
<関連記事>:【元銀行員が教える!】お金がない時の乗り切り方は?
臨時収入を得る
仕事以外にも、ちょっとした収入を得る手段はあります。
1つはメルカリやヤフオク、リサイクルショップなどを利用することです。お金が入ると同時に不用品も処分できるので、一石二鳥です。
もう1つ、短期バイトや派遣で働くという方法もあります。たとえば高時給・高日給なアルバイトに、「治験」があります。
治験とは、製薬会社が国の許可を得て行う、新薬等の実験のことです。相場については、1回の検査で5000円、1日の通院で1万円、入院は1日2万円です。
治験情報サイトに募集が掲載されるので、定期的にチェックしてみて下さい。
また飲食店の覆面調査という、利用客のふりをして飲食店で食事をし、その店の味やサービスを調査するバイトもあります。収入はありませんが、無料で3000円~5000円ほどの食事ができるので、金欠の時にはオススメです。
<関連記事>:即金で5万円・10万円を作るために絶対知っておきたいこと
お金を貯める
支払いの方法を工夫すれば、節約にも繋がります。たとえばクレジットカードを使用すれば、購入額に応じたポイントやマイルが貯まります。
電気代や携帯料金などの固定費をクレジットカード払いに変更するだけで、自然とポイントが貯まります。
またポイントサイトを活用するのもオススメです。ポイントサイトでは、スポンサーサイトを利用してポイントを貯めると、そのポイントを現金や商品券などに交換できます。
「ハピタス」や「マネキン」などのポイントサイトに登録して、普段からコツコツ活用すると効果的です。
運動や料理など、お金のかからない趣味を見つける
趣味にお金がかかる人や浪費癖のある人は、お金のかからない趣味を見つけるといいでしょう。たとえば料理や裁縫は、長期的にも有効な節約になります。
家計が安定してからも続ければ、出費を抑えられて更に貯蓄を増やせます。お金のかからない趣味なら、図書館での読書もオススメです。
無料で本を読める上、自宅の光熱費も節約できます。またウォーキングやランニングならお金もかかりませんし、運動不足も解消される上、気分もスッキリします。
公的機関の支援制度を活用する
経済的な問題を自力で解消するのが難しければ、「生活福祉資金貸付制度」の活用も検討しましょう。生活福祉資金貸付制度とは、低所得者などの生活が苦しい人に対して国がお金を貸す、公的な融資制度です。
<外部の関連サイト>:生活福祉資金|社会福祉法人全国社会福祉協議会
生活保護とは違い返済義務があり、申請から融資まで1週間から2ヶ月かかります。また申込に際しては、指定された書類を全て揃えておくことが必要です。
生活福祉資金貸付制度には、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4種類があり、それぞれ内容や利用条件が異なります。
利用条件は自治体によっても異なるので、利用前に自分の地域の条件をしっかり確認しておきましょう。
<関連記事>:市役所でお金を借りる?生活福祉資金貸付制度とは?
カードローン利用は最後の手段
カードローンは申し込みから融資までのスピードに優れており、即日融資も可能です。できるだけ早くお金が必要なら、カードローンがいいでしょう。
しかしカードローンには利息の返済も発生するので、よほど余裕がなく緊急でなければ、カードローン利用ではなく節約に努めることをオススメします。
もしカードローンを検討するなら、ヤミ金には手を出さないよう気を付けて下さい。銀行カードローンは融資まで多少の時間が掛かるため、急ぎでお金を借りたい人は、大手消費者金融を利用するとよいでしょう。
<関連記事>:【元銀行員が解説】消費者金融のおすすめランキング!
以上、お金のストレスの恐ろしさと、そのストレスを解消する方法について解説しました。お金に依存している現代の生活では、お金がないストレスは非常に厄介です。
お金のないストレスは、他のストレスにも派生してしまいます。経済的な不安がある場合は、まずは家計を見直しましょう。
地道に対策していけば、お金のないストレスは解消され、安定した生活を送れます。
この記事のまとめ |
---|
|
<監修者のコメント>
慢性的にお金がない人は、ストレスによる負の連鎖がおこります。ストレス解消の買い物や酒やタバコが増えて支出が増えるなど、さらにお金がない状態へ自ら突き進んでいます。
日々の節約を「我慢」と思うとストレスになり続きませんが、サバイバルゲームだと思えば楽しく続けられます。現実逃避せずに、前向きにお金のないことと向き合ってください。