カードローンの審査では、勤務先に電話をかける「在籍確認」があります。ただ勤め先に直接電話されると、借金のことが同僚にバレるのではと不安になりますよね。
では在籍確認なしで利用できる、カードローンはあるのでしょうか?今回は、在籍確認をなしにできるか、各社に問い合わせた結果を紹介します。
目次
カードローン審査で在籍確認なしは可能?
在籍確認は、審査の重要な項目の一つ
在籍確認は申込者が申告した会社に、本当に勤めているかを確認するために行われます。勤め先への電話で申告された会社で働いていることの確認が取れれば、申込者に安定収入があることが証明されます。
また貸金業者は審査の段階で、申込者に返済能力があるか調査することを義務付けられています(貸金業法第13条1項)。
貸金業法第13条1項
貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない
引用元:貸金業法第13条1項
勤め先に在籍していることが分かれば、申込者に返済能力があることの裏付けとなるため、在籍確認は審査において欠かせない項目となっています。
<外部の関連サイト>:与信審査の厳格化について | 金融庁金融会社室
なぜ在籍確認なしを希望する利用者が多いの?
在籍確認は返済能力を見極めるために、カードローン会社にとって不可欠ですが、利用者の多くは在籍確認なしを希望しています。在籍確認を避けたい理由は、主に以下の2つです。
・今すぐに借り入れしたい人が多い
・同僚にカードローンの利用がバレるので、勤務先に電話して欲しくない
まずカードローンを利用する上で、すぐに借り入れをしたいと考える人が多くいます。以下はカードローン利用者が、銀行カードローンに望むことをまとめたグラフです。
<出典>:銀行カードローンに関する消費者意識調査 結果報告│全国銀行協会
表からも分かるように、スムーズに借り入れできることを望んでいる人が最も多く、その割合は20.7%です。このように在籍確認をカットして、今すぐに融資を受けたい人が多くいます。
また勤務先にカードローンの利用を知られたくないために、在籍確認を免除したいという声もあります。ただ消費者金融の在籍確認では、電話をかける時に会社名ではなく個人名を名乗ってくれます。
そのため在籍確認の電話のみで、借金のことが知られるリスクは低いと言えるでしょう。ちなみに銀行カードローンは、銀行名を名乗って在籍確認をしますが、銀行からの電話だけでカードローンの利用がバレる可能性も低いです。
<関連記事>:消費者金融・カードローンの在籍確認って怖い?
相談すれば、在籍確認を翌日にしてもらうことは可能
在籍確認は必ずしも、カードローン会社が決めた時間に行われる訳ではありません。サポートセンターに相談すれば、在籍確認の日や時間帯の融通を利かせてくれることがあります。
たとえば土日祝が休みの勤務先の場合、サポートセンターに相談すれば、在籍確認を翌営業日に後回しして先に審査を完了し、キャッシングさせてもらえるケースがあります。ただこのように在籍確認の前に借り入れが認められるのは、少額のキャッシングのみです。
100万円を超える借り入れの場合、在籍確認が完了しないと借りられません。また会社によって融通が利く場合と、そうでない場合があります。
一般的に消費者金融は相談に乗ってくれることが多いですが、銀行カードローンだと在籍確認前の借り入れは厳しいので、注意しましょう。
在籍確認を免除することは可能?
会社によっては、在籍確認をする日にちや時間を調整してくれることが分かりました。では在籍確認そのものを、免除することはできるのでしょうか?
結論から言うと、在籍確認を完全になくすことは不可能です。上でも説明したように、貸金業者は申込者の返済能力を調べることが、法律によって義務付けられているためです。
ただ在籍確認を、電話連絡以外の方法に代えることは可能なケースがあります。以下で詳しく、電話連絡なしのカードローンについて解説します。
電話連絡なしのカードローン、必要な条件は?
在籍確認の免除はできませんが、電話連絡なしのカードローンはあることが分かりました。以下では、電話連絡なしのカードローンを申し込むために、必要な条件を紹介します。
安定して一定収入があるなど、信用力が高い
電話連絡を免除するために不可欠なのは、信用力の高さです。たとえば安定して一定収入のある公務員や上場企業の会社員は、電話連絡をなしにしてくれる可能性が高いと言えます。
ですが年収が100万円程度の場合、消費者金融での借り入れはできますが、電話連絡を免除してもらうのは厳しいです。また収入が不安定とされる職業、たとえば水商売だったり歩合制の販売員、トラック運転手なども、電話連絡の免除が認められる可能性は低いです。
<関連記事>:消費者金融が会社(職場)に電話をするのはナゼ?なしにできないの?
申し込み後、サポートセンターに電話で相談する
電話連絡をなしにするには、申し込み後にサポートセンターに電話をかけ相談する必要があります。申し込みをした後、必要書類を送付するようメールが届くので、このタイミングでサポートセンターに連絡してください。
勤務先への電話を避けて欲しい旨を伝え、電話以外の方法で対応してもらえないか話してみましょう。ただ上でも説明したように、信用力が低いと判断されれば、断られる場合もあります。
サポートセンターに相談すれば、絶対に電話連絡がなしになる訳ではないので、その点は注意してください。
追加で収入証明書を提出する
電話連絡なしに対する各社の対応は後ほど紹介しますが、電話連絡の代わりとして要求されることが多いのが、収入証明書の追加提出です。収入証明書の提出義務がない人でも1通は提出し、提出義務のある人なら、提出した書類とは別の収入証明書を用意する必要があります。
サポートセンターに連絡をして、電話連絡の免除が認められたら、追加の収入証明書を要求されるはずです。提出方法は、スマホで書類の写真を撮ってメールで送るか、専用フォームから送信します。
収入証明書として認められるのは、源泉徴収書・給与明細書(直近2か月分)・確定申告書・課税証明書などです。運転免許証やパスポートなどの、本人確認書類と一緒に提出しましょう。
<関連記事>:収入証明書不要のカードローンを選ぶなら?
勤務先への電話連絡なしが可能なカードローン会社はどこ?
ここまで、条件が揃えば電話連絡を免除できる可能性があることが分かりました。では、電話連絡なしに対応してくれる会社はどこでしょうか?
電話連絡なしにできる?各社に問い合わせた結果!
電話連絡を避けたい場合、どのカードローン会社を利用するべきなのでしょうか?以下は、電話連絡なしの対応や条件について、各カードローン会社に電話取材をした結果をまとめた表です。
カードローン会社 | 電話連絡なしは可能? | 条件 |
---|---|---|
プロミス | 相談に応じる | 収入証明書を追加で提出 |
SMBCモビット | 可能 | Web完結申込 |
アイフル | 相談に応じる | 収入証明書を追加で提出 |
アコム | 相談に応じる | 収入証明書を追加で提出 |
レイクALSA | 不可 | なし |
三井住友銀行カードローン | 相談に応じる | 収入証明書を追加で提出 |
バンクイック | 不可 | なし |
みずほ銀行カードローン | 不可 | なし |
表から分かるように、電話連絡なし可能と回答した会社は、SMBCモビットのみです。SMBCモビットは「Web完結申込」で申し込めば、勤務先への電話連絡がなしとなります。
Web完結申込の条件は、後ほど詳しく説明します。
SMBCモビットなら「Web完結申込」で、電話連絡なしが可能
SMBCモビットのWeb完結申込なら、勤務先への電話連絡を避けられます。Web完結申込を利用するには、以下の条件をクリアする必要があります。
・ゆうちょ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行のいずれか口座を持っていること
・社会保険証か組合保険証を持っていること
この条件を両方満たすと、Web完結申込することが可能です。またSMBCモビットのWeb完結申込では、ローンカードや契約書類が郵送されることもなく、家族に内緒でキャッシングしたい人にも便利です。
<関連記事>:SMBCモビットの金利・即日融資の条件は?
ネットで評判の、りそな銀行やセブン銀行は?
ネットで「在籍確認なしのカードローン」で調べると、りそな銀行とセブン銀行のカードローンが対応しているという説明があります。この噂は本当なのでしょうか?
<りそな銀行(りそなプレミアムカードローン)>
りそな銀行・クレジットセンターに電話をして確認したところ、「現在は在籍確認をお願いしています」という回答でした。またりそな銀行のホームページにも、「全てのお申し込みに対し、個人名にて在籍確認のご連絡を差し上げております」と書かれています。
以前は在籍確認なしも可能だったかもしれませんが、今は確実に在籍確認があるので注意しましょう。ちなみにりそな銀行のカードローンを利用するには、りそな銀行の口座が必要です。
新規で口座を開設する場合は、1週間程度かかります。急ぎで借りたい人には、おすすめできません。
<関連記事>:銀行カードローンのデメリット・リスクを解説
<セブン銀行カードローン>
セブン銀行のカードローンも、在籍確認なしのカードローンとして紹介されていましたが、実際はどうなのでしょうか?以下は、セブン銀行のホームページの一部です。
上の説明のように、原則として連絡することはないけれど、場合によっては連絡するということでした。つまりセブン銀行のカードローンも、電話連絡なしを約束している訳ではないのです。
そもそもカードローン会社は、電話連絡なしの免除を嫌がります。カードローン会社からすれば、貸し倒れのリスクが高まるからです。
そのため信用力が高くないなら、在籍確認はあると見た方が良いでしょう。
<関連記事>:【元銀行員が解説】消費者金融の審査基準について
大手の消費者金融なら、相談に乗ってくれることも
電話連絡なしにできる?各社に問い合わせた結果!の表からも分かる通り、プロミスやアイフル、アコムなどの一部の大手消費者金融では、相談に乗ってくれることもあります。大手消費者金融で借り入れする場合は一度、電話連絡なしにして欲しい旨を伝えることをおすすめします。
信用力が高ければ、電話連絡を免除してくれる可能性があります。
一方、銀行カードローンで電話連絡なしの相談に対応してくれるのは、三井住友銀行カードローンだけです。銀行カードローンでは、在籍確認の電話はあると見た方が良いです。
【元銀行員が教える】消費者金融のおすすめランキング!
以上、在籍確認なしのカードローンについて解説しました。在籍確認はカードローン会社にとって重要なため、完全になしにすることは不可能です。
電話連絡を他の方法に代えられる場合でも、「収入証明書」と「信用力」が不可欠となるので、注意してください。
この記事のまとめ |
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