カードローンの審査に自信がない人、すでに多額の借り入れがある人は、「審査が甘い消費者金融」を探しているかもしれません。
しかし審査の甘い消費者金融とされる会社には、実は「落とし穴」もたくさんあることをご存じでしょうか?
中には危険な業者も少なくありません。
人によっては厳しい(もちろん違法な)取り立てを迫られ、生活が破たんするケースもあります。
ここでは、「審査の甘い消費者金融」がなぜ危険なのか、詳しく見ていきます。
そもそも、消費者金融が危ない業者ではないの?
カードローンを利用したことがない人に多いのが、「消費者金融=危険な業者」という誤解です。
消費者金融はまっとうな金融会社であり、本当に危険な業者は「ヤミ金」と呼ばれる全く別の組織です。
本物の消費者金融は法律に沿って運営されている
「消費者金融」とは、財務局長または都道府県知事からの許可を得て、法律に沿って運営される貸金業者のことです。
消費者金融にはテレビCMでも見かける大手の上場企業から、あまり名前を聞かないような中小企業まであります。
共通しているのは、企業の大小に関わらず、営業するうえで必ず行政の許可を得ていることです。
<関連サイト>:消費者金融(サラ金)とは?分かりやすく解説!
消費者金融とヤミ金はまったく違う!
消費者金融が法律を守り、行政の許可を得ているのに対し、「ヤミ金」は無許可で違法に営業する危険な業者です。
違法で営業しているだけに金利も法外に高いですし、返済に遅れた場合の取り立ては容赦がありません。
接客や電話応対の際も、ヤミ金では「怖い人」が出てくることも珍しくありません。
これだけでも、消費者金融とヤミ金がまったく別物であることがお分かり頂けると思います。
<関連サイト>:ヤミ金とは?その悪質な手口を紹介します!
ここで一つ注意したいのが、聞いたことのある有名企業・銀行の名前でも、正規の会社とは限らない点です。
ヤミ金業者の中には、利用者に誤解を与えるために、有名企業に似せた社名を付けているケースもあります(もちろん、無許可です)。
正規の会社かどうかは、金融庁や日本貸金業協会のHPから調べることができます。
とはいえ日々新たな悪徳業者が生まれており、すべての悪徳業者が載っている訳ではありません。
ですので、消費者金融については大手以外の会社を利用することは、あまりオススメできません。
審査が甘いなら、それは100%危険な業者
これまでカードローンの審査を受けたことがない人の中には、「消費者金融の中には審査が甘い企業もあるのでは?」と考える人もいるかもしれません。
残念ながらこの考えは間違いで、正規の消費者金融に審査が甘い会社は存在しません。
「無審査」「無収入OK」といった甘い条件を提示してくる業者があった場合、それは消費者金融ではなく、明らかに「ヤミ金」です。
審査は甘いほうがよいなどと考えて軽い気持ちで利用すると、後で恐ろしい目にあう危険性が非常に高いので、十分に注意しましょう。
<関連記事>:中小大手の消費者金融、全国35社の金利・即日の一覧表
消費者金融の審査って、実際のところどうなの?
まともな消費者金融に「審査が甘い企業」など無いことを上で書きました。
では消費者金融の実際の審査とは、どんな感じなのでしょうか?
銀行カードローンは消費者金融より審査が厳しい?
審査の面で比べると、「銀行カードローンの方が消費者金融より厳しい」という話もありますが、実際はどうなのでしょうか?
銀行カードローンの審査は、消費者金融より厳しいという点に間違いはありません。
とはいえ消費者金融の審査に落ちた人が、銀行カードローンを通ることも、以前は割とありました。
一時期、銀行カードローンの審査が随分甘くなった時があったからです。
ただし2017年以降、銀行カードローンの審査は以前よりも厳しくなりました。
銀行カードローンで返済不能に陥る人が急増したのを受け、新聞でも大きく取り上げられ、銀行が審査を厳しくしたためです。
<関連記事>:銀行カードローンとは?メリットとデメリットを解説
消費者金融の審査では安定収入が絶対条件
消費者金融の場合、申込者本人に安定収入がなければ、審査に通過しません。
もし「安定収入がなくても利用できます」などといった誘いをかけてくる業者があれば、それはヤミ金の可能性が高いです。
なお一部の銀行カードローンでは、配偶者が高収入である場合に限り、専業主婦(主夫)でもキャッシングが可能なケースもあります。
しかし、配偶者(つまり夫)に安定した高収入があることが条件のため、審査を通過するのは簡単ではありません。
安定収入なしにキャッシングできるカードローンに、まともな会社は存在しません。
<関連記事>:【元銀行員が解説】消費者金融の審査基準について
中小の消費者金融でも、大手と審査に差はない
消費者金融には、広く名の知れた大手企業から、あまり名前が知られていない中小企業まであります。
実は大手でも中小でも、審査の厳しさや金利に大きな違いはありません。
年収の1/3までの借入れという、借り入れ制限でも違いはありません。
では、大手と中小の消費者金融の違いがどこにあるかというと、それは「使い勝手」です。
大手消費者金融は、ネット(スマホ)からの申し込み・キャッシングへの充実度が違います。
さらに中小の消費者金融よりも圧倒的に自動契約機の設置数が多く、簡単に見つけやすいという特徴があります。
「使い勝手」を重視する場合に関して言えば、大手の消費者金融の方が圧倒的に有利と言えます。
<関連記事>:中小の消費者金融に限定!おすすめランキング
審査が甘い貸金業者(ヤミ金)の手口とは?
上では、消費者金融とヤミ金の違いを簡単に触れました。
しかしヤミ金の被害に会わないためにも、ヤミ金の手口について知っておくと、さらに安心です。
手口1:電話や手紙・チラシで勧誘してくる
ヤミ金が利用客を見つけるために使う代表的な方法は、「電話や手紙」「チラシ」です。
チラシの場合、マンションのポスト等に無作為に入れられている可能性があります。
「電話」「手紙」といった方法でヤミ金からコンタクトを取ってくる場合は、多重債務者にターゲットが絞られていることがほとんどです。
ヤミ金は、高確率でお金を借りてくれるであろう人物(=お金に困っている人)を効率よく見つけるために、個人情報の売買を行う名簿業者を利用します。
名簿業者から多重債務者の個人情報を買い、手紙や電話で融資を持ちかけるのがヤミ金の常套手段です。
また最近では、ヤミ金がLINEやツイッターなどを通じて融資を持ちかけてくるケースもあります。
消費者金融や銀行カードローンでは、こちらの個人情報を勝手に入手することも、頼んでもいないのに融資を持ちかけてくることも絶対にありません。
こういった行動は、ヤミ金だけに見られる手口です。
<関連記事>:個人間融資とは?そのリスクを分かりやすく解説
手口2:審査が甘いと思わせる条件を並べる
ヤミ金は「簡単に借りられる印象」を与えるため、通常では考えられない甘い条件を提示してきます。
他ではお金を借りるアテのない人(=ブラック状態の人)の心を揺さぶるような条件を、アピールしてきます。
当然ですが、こういった条件が守られることはありません。
というのもヤミ金の目的は、嘘をついてでも利用者を獲得することだからです。
十分に分かっていると思いますが、こういった言葉に騙されてはいけません。
<関連記事>:審査なしのカードローンってあるの?
手口3:高額な利息を要求、脅迫まがいの取り立てをする
十一(といち、10日で1割の利息)という言葉にもあるように、法外に高額な利息を請求するのがヤミ金の手口です。
「うちは低金利ですよ」などと言って警戒心を解こうとしてくるヤミ金もいますが、そんな事は絶対にありえません。
<関連記事>:押し貸しとは?ヤミ金の手口をわかりやすく解説
またヤミ金が本性を現すのは、借金の返済が遅れた時です。
暴力や脅迫を伴う取り立てが行われるだけでなく、物を壊される、家に侵入される、家族や親戚、会社の人達にまで追い込みをかける、といった被害が及ぶこともあります。
ヤミ金は法律を守る気など無い業者ですから、これ以上のことが起きても不思議ではありません。
なお消費者金融を利用していて返済が遅れた場合にも、手紙や電話での督促は来ます。
ですがヤミ金とは違い、脅迫や暴力など、命の危険を伴うような取り立てが行われることはありません。
<関連サイト>:金違法な金融業者にご注意! | 金融庁
審査が甘い貸金業者(=ヤミ金)で危険な目にあわないために
ここまで、消費者金融とヤミ金の違いや、ヤミ金の手口を見てきました。
最後に、ヤミ金を見抜き、利用を避けるためのポイントを見ていきます。
まともな会社で「審査が甘い」ことは絶対にない!
ここまで何度も書いてきましたが、行政の許可を得て営業している消費者金融で、「審査が甘い会社」はありません。
まともな企業から融資を受ける場合は職業や収入、信用情報など、さまざまな面から「返済能力があるかどうか」を厳しく審査されるのが当然です。
返済能力もない人にお金を貸し付けるのは、間違いなく悪徳業者です。
これは非常に重要なポイントのため、忘れずに覚えておきましょう。
見分ける自信が無いなら、知らない業者は利用しない
正規に登録のある貸金業者かどうかを見分ける方法として、金融庁や日本貸金業協会のホームページを検索する方法があることを先でも書きました。
しかし、インターネットを使わず、もっと簡単に危険な業者を避けられる方法があります。
それは、大手の消費者金融しか利用しないことです。
たまたま新聞やスマホでキャッシングの広告を見かけて、そこを利用したいと考える人もいるかもしれません。
しかし、その企業によほどの確信がない限り、よく知らない業者の利用は避けたほうが安全です。
安全な消費者金融を見分ける自信がない場合は、自分の勘に頼らず、有名な消費者金融を選びましょう。
ヤミ金を頼るほど困っているなら、債務整理など検討する
ここまで、何度も「ヤミ金は利用してはいけない」と書いてきました。
しかし、明日の食べ物も買えないほどお金に困っている人の場合、「そんなことを言われても、もう他に頼るアテがない。自分には選択肢がない。」と考えるかもしれません。
絶望的な状況に置かれると、誰しも冷静な判断ができなくなり、目先の希望にすがりたくなるものです。
でも、そんな時こそ、冷静に考えてみてください。
ヤミ金に頼らなくてはいけないほど経済的に困窮しているのであれば、それはもう、「債務整理」や「自己破産」などの法的整理や、「生活保護」などの行政の支援を利用するべき段階まできている、ということです。
中には他社からの借金の返済目的で、どこでも良いからお金を借りたいと考えてる人もいるかもしれません。
ですがヤミ金を利用すると、結局は状況がもっと悪くなるだけなので、絶対にオススメできません。
ヤミ金に頼らず自己破産になったとしても、少なくても生きていくことはできます。
どんなに困っていても、ヤミ金に手を出すことだけはやめましょう。
<関連記事>:生活保護の金額はどの位?いくら貰えるの?
以上、「審査の甘い消費者金融はなぜ危険なのか」を見てきました。
上でも書いた通り、「審査の甘い消費者金融」など存在せず、「審査が甘い」をアピールする会社はほぼ確実にヤミ金であることは説明した通りです。
今借りているカードローンの返済をキチンと行えることが一番ですが、目先の返済のためにヤミ金に頼るのでは、元も子もありません。
どうしても返済に行き詰ったら、ヤミ金ではなく債務整理を検討することをおススメします。
- 消費者金融とは行政の許可を得て、法律に沿って営業する金融業者のこと
- ヤミ金とは、無許可で営業する違法業者のこと。法外な利息を請求するのが特徴
- 消費者金融の利用には安定収入が必須。審査が甘い・ないなど絶対にない
- 銀行カードローンと消費者金融では審査基準が違うが、最近では銀行カードローンの方が審査が厳しい
- ヤミ金は恐ろしい取り立てを行うが、消費者金融は法に沿って督促を行うため、危険はない
- ヤミ金を利用するほどの状況であれば、債務整理を検討すべき