勤めていた会社を定年退職した後も、医療費や遊興費、孫へのプレゼントなどお金が必要な場面は多くあります。
では60代以降でも、カードローンを利用することは可能なのでしょうか?
そこで今回は、高齢者でも借入できるカードローンや、利用上の注意点について紹介します。
目次
高齢者でも借入できるカードローンはある?
60代であれば利用できる会社は多い
60代であれば基本的に、大手消費者金融の利用が可能です。
以下は大手カードローンの金利と、年齢制限をまとめた表です 。
消費者金融 | 金利(年率) | 年齢制限 |
---|---|---|
プロミス | 4.5%~17.8% | 69歳 |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% | 69歳 |
アコム | 3.0%~18.0% | 69歳 |
アイフル | 3.0%~18.0% | 69歳 |
レイクALSA | 4.5%~18.0% | 70歳 |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 69歳 |
三菱UFJ銀行 バンクイック | 1.8%~14.6% | 65歳 |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 66歳 |
表から分かるように銀行カードローンは、消費者金融よりも年齢制限が厳しいです。
大手カードローンからの借入を検討している高齢者の方は、消費者金融の方がより借りやすいと言えます。
また消費者金融は、即日融資に対応している点が魅力です。
無利息サービスを提供している会社もあり、一時的にお金を借りるだけであれば、利息の負担は少ないです。
ただ大手の消費者金融では、年金以外の収入がない人には融資をしていません。
アルバイトなど年金以外に安定した収入がなければ、大手消費者金融への申し込みはできないので注意しましょう。
<関連記事>:消費者金融とは?分かりやすく解説!
ベルーナノーティスなら、78歳まで申し込みできる
消費者金融のベルーナノーティスでは、78歳まで申し込みを受け付けています。
ベルーナノーティスとは、大手通信販売ベルーナグループのカードローンです。
ベルーナノーティスの借入条件は、以下の通りです。
金利(年率) | 借入限度額 | ネット完結取引 |
4.5%~18.0% | 300万円 | 対応していない |
年齢に関係なく、借入条件は同じです。
ベルーナノーティスでは初回借入時に14日間の無利息サービスが提供され、完済して前回の借入日から3か月経てば、何度でも無利息サービスが受けられるメリットがあります。
78歳まで借りられる消費者金融は、他にはありません。
70歳以上の方で、なるべく早くお金が欲しい方は、ベルーナノーティスの利用を検討してみましょう。
<関連記事>:消費者金融ベルーナノーティスで借入するときのメリット・デメリットは?
シニア向けの融資商品を提供している会社もある
大手消費者金融では基本的に、60代までの人が融資対象ですが、中には70代以降の高齢者向けに貸し付けを行っている会社があります。
クレディセゾングループのキャッシング会社であるセゾンファンデックスでは、80歳までカードローンの申込みが可能です。
資金使途は自由なので、老人ホームの入居費用や旅行・レジャーなどに使えます。
即日融資を希望する際には、平日12時までに申し込みを終え、平日13時までに契約を完了させる必要があります。
<外部の関連サイト>:かんたん安心カードローン|セゾンファンデックス
またauじぶん銀行カードローンでは、70歳未満の人が融資の対象ですが、年金収入のみの人でも申し込みできます。
金利は2.2%~17.5%ですが、auユーザーであれば最大0.5%の金利優遇を受けられます。
ただ年金収入のみの場合、審査に通らないケースも多いので注意しましょう。
<外部の関連サイト>:カードローン(じぶんローン) | auじぶん銀行
千葉銀行では「ちばぎんシニア応援ローン」という、フリーローンを提供しています。
申し込み時に60歳以上かつ、79歳までに返済を終えられる人が利用できます。
借入限度額は100万円と、高額借入には適していませんが、年金収入のみでも利用可能な高齢者向けの融資商品です。
申し込み可能な地域が限られていて、千葉県、東京都、茨城県、埼玉県、神奈川県(一部地域を除く)に住んでいる方が借入対象です。
<外部の関連サイト>:シニア応援ローン|多目的ローン(フリーローン)|千葉銀行
なお地方銀行では、60代にも融資している会社は多くあります。
銀行での借入を検討している方は、普段からよく利用している地元の銀行カードローンでの借入も検討してみましょう。
<関連記事>:地方銀行カードローンの選び方を解説!おすすめはどこ?
高齢者がカードローンを利用する時の注意点は?
そもそも高齢者のキャッシング審査は厳しい
どのカードローン会社も審査基準を公表している訳ではありませんが、高齢者に対する借入審査は厳しいと見て間違いありません。
筆者が以前、大手消費者金融の審査担当者に取材したところ、「60代以上の申込者に対する審査は厳しめになる」と言っていました。
カードローンへの申し込みを考えている高齢者の方は、審査落ちする可能性がそれなりに高いことは覚悟しておきましょう。
申し込みの前に、カードローン審査に落ちた時の対策を考えておくことをオススメします。
<関連記事>:カードローンの審査に通らない人の特徴
年金だけで融資を受けるのは難しい
上で説明したように、大手消費者金融では、年金以外に安定した収入があることが融資条件の一つです。
年金収入しかない人は、消費者金融で借入できません。
また銀行カードローンでは、年金収入のみでも申し込みを受け付けている会社もありますが、審査通過のハードルは相当高いと言えます。
銀行カードローンの場合でも、年金以外の収入があると、審査に通る確率は上がります。
年金を担保に融資を行う会社には注意
銀行カードローンでは、年金収入のみの人も融資対象になる場合があると説明しましたが、積極的に年金を担保にして融資を行っている会社には注意が必要です。
後で詳しく説明しますが、年金のみを担保として貸付できるのは、公的制度の年金担保貸付だけです。
消費者金融を名乗る業者から、「年金を担保に融資します」と言われたら、高齢者を狙ったヤミ金である可能性が高いと言えます。
ヤミ金からお金を借りてしまうと、違法な高金利を課され、自己破産に追い込まれるケースもあります。
必要最低限の額だけ借りる
カードローンで借入するときは、必要以上の額を借りないで下さい。
少額の借入希望額だからといって、カードローン審査に通りやすくなる訳ではないです。
ただ必要最低限の金額で申し込めば、身の丈に合わない借入をすることを避けられます。
高齢者となると定年退職後は、今後の収入の伸びも期待しづらいと言えます。
今後、毎月返済していくことを考えると、借入額は必要最低限に留めておくべきです。
<関連記事>:個人間融資とは?そのリスクを分かりやすく解説
カードローン以外で、高齢者がお金を借りる方法はある?
カードローンの審査に落ちてしまったり、カードローン以外の借入も検討しようと思った時、具体的にはどんな方法があるでしょうか?
ここでは高齢者向けの公的融資制度や、家を担保にお金を借りる方法について解説します。
年金を担保に借りる「年金担保貸付」
年金担保貸付とは、年金受給者向けの公的な融資制度で、国民年金や厚生年金保険などの年金を担保にお金を借りられます。
年金担保貸付の対象となるのは、現在年金をもらっている人だけです。
経済的に厳しい高齢者の救済が目的で、カードローンより大幅に低い金利で借りられ、借入金は医療費や介護費、冠婚葬祭などに充てられます。
年金を担保に融資を行っているのは、年金担保貸付制度を運営している「独立行政法人福祉医療機構」と「日本政策金融公庫」のみです。
上でも触れたように、年金のみを担保に融資を行う業者には注意して下さい。
ただデメリットとして、融資までに4~5週間程度かかることが挙げられます。
また年金支給額が減少しているのに、年金担保貸付の返済によって、生活に困窮する高齢者の増加が問題視され、2022年3月末に申込受付が終了することが決まっています。
<関連記事>:年金を担保にお金を借りる!年金担保貸付制度とは?
自宅を担保にお金を借りる「リバースモーゲージ」
リバースモーゲージとは、家を担保にして、そこに住みながらお金を借りられる融資制度です。
借入人が死亡した時に、担保にしていた自宅を売却して、その代金で借入金の一括返済をする仕組みとなっています。
リバースモーゲージのメリットは何といっても、自宅に住み続けながら老後の資金を確保できる点にあります。
また資金使途も原則自由で、毎月の返済は不要、または利息のみとなっています。
リバースモーゲージは、2013年にみずほ銀行がメガバンクとして初めて参入して以来、三菱UFJ銀行、三井住友銀行も続いて取り扱いを始めました。
借入条件などは異なりますが、今では多くの地方銀行でも提供されています。
ただリバースモーゲージには、いくつかデメリットもあります。
まず生存中に土地や建物の価格が下がれば、融資限度額は見直されます。
また長生きすると融資額が大きくなるため、返済額も膨らみます。
その他にも債務者の死亡後は、住宅が売却されるので、子供などに相続させることが不可となります。
そのため利用にあたっては、推定相続人全員の同意が求められます。
<関連記事>:お金を借りるなら、どこがおすすめ?
高齢者がいる世帯は、国からお金を借りられる
65歳以上の高齢者がいる世帯は、「生活福祉資金貸付制度」を利用して、国からお金を借りられる可能性があります。
生活福祉資金貸付制度は低所得者のための融資制度で、無利子または低金利での借入ができます。
高齢者世帯は貸し付けの対象となっていますが、日常生活で療養または介護を必要とする高齢者であることが条件の一つです。
高齢者のいる世帯は、生活支援費や福祉費として普段の生活や介護にかかる費用を借りられます。
ですが生活福祉資金貸付制度も、年金担保貸付と同様に融資まで時間がかかります。
また公的制度であるため、利用条件はかなり厳しいと考えておきましょう。
<関連記事>:市役所でお金を借りる?生活福祉資金貸付制度とは?
以上、高齢者でも利用できるカードローンについて解説しました。
60代であれば申し込み可能な会社は多くありますが、年金のみの収入だと審査に通るのは厳しくなります。
審査に通るか不安な方は、一度サポートセンターに相談してみても良いでしょう。
またカードローン以外の借入方法も紹介しましたが、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら自分に合ったものを選ぶのがオススメです。
この記事のまとめ |
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