福岡県在住で、今は36歳会社員です。
私が大学4年から社会人初期にかけてどうしてもお金が必要で、貸してくれそうな所を探していくうちに、ヤミ金に手を出してしました。
出来ることなら避けて通りたい、借金のお話です。
なぜヤミ金でお金を借りようと思ったのか
すべてのキッカケは、クレジットカードを作ったこと
当時の私は大学に通いながら、親の仕送りで足りない部分をアルバイトの収入に頼る生活を送っていました。
足りないといっても普通に食事をして光熱費を払っていくには、節制すればなんとかなる程度で、大幅に足りないという訳ではありませんでした。
勿論、遊ぶお金は仕送りの中には入っていません。
そんな学生生活の中、貯めたアルバイト代で車を買いました。
車はガソリンが無ければ当然動きません。
そこでガソリンを入れるために、給油用のクレジットカードを作りました。
これが全ての始まりです。未成年の私がクレジットカードを作るには、親の同意が必要です。
裏を返せば、親の同意さえあれば、クレジットカードが作れてしまうのです。
これが大学2年生の頃でした。
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浪費のせいで、クレジットカードの返済が追い付かなくなった
クレジットカードが手元に来るとガソリンの給油だけでは飽き足らず、不要な買い物をし始めます。
最初は支払えるだけの買い物だけでしたが、だんだんと知識がつき始め、リボ払いや分割払いを使うことを覚えていきます。
更に一定期間利用と支払いを繰り返すことによって限度額が上がっていき、気付けば毎月の支払いが追いつかなくなっていきました。
クレジットカードにキャッシング枠は付帯していませんでしたので、まずは消費者金融に融資の申込をしましたが、未成年だったため、借り入れは出来ません。
親に事情を説明して支払いをお願いすべきだったのでしょうが、「自分でなんとかしたい」というちっぽけなプライドがそれを許しませんでした。
そこでアルバイト先の上司に相談したところ、紹介してもらったのが「お金を貸してくれる人」でした。
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ヤミ金の会社をどうやって選んだか?
貸金業者からはどこも、親の保証を求められた
当時私が住んでいた地域は、同じ大学に通う学生がたくさん住んでいる地域でした。
同じように金銭的な悩みを持った学生も多かったのか、それを狙った「即日融資」をうたったチラシが、毎日のように投函されていました。
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試しに目に付いた1社に電話をして話を聞いてみると、やはり言われるのが「親の連帯保証」でした。
学生本人に支払い能力など望めるはずはなく、焦げ付いた時にどうやって元本以上に回収をするか、といったところでしょうか。
親の保証がいらない業者を、友達に紹介してもらった
私自身のことよりも執拗に両親や、両親の勤務先などを聞いてきました。
となると普通に融資の申し込みをしても、結局は親に話が漏れてしまいます。
それならば、アルバイト先の上司に紹介してもらう方が確実で、安全(両親に知られるリスクに対する安全性)なのではないかと考えました。
「お金を貸してくれる人」と会わせてもらうよう、お願いをしました。
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ヤミ金で借入れをした詳しい経緯
お金を貸してくれたヤミ金業者は、風俗店の人だった
電話でやり取りをし、融資手続きのために指定されたのは風俗店でした。
午前11時頃、指定された風俗店へ到着し店の前から電話をすると、中から人が良さそうな感じの男性が出てきて、中に招き入れてくれました。
その事務所(間仕切りで事務スペースとして仕切られた空間)で、既に用意されていた契約書に押印し、運転免許証のコピーをその場で取られました。
希望金額は10万円としてあらかじめ伝えていたため、借り入れ金額に10万円の記載があり、返済期日が空欄になっていました。
金利は、1か月で1割だった(良心的?)
金利や遅延損害金の記載もなく、さすがに不安になり聞いたところ、
「今回は紹介なので、特別に1か月以内に返してくれたらいい」
「金利については1割、今回は10万の希望だから、今9万を渡すので期日までに10万を返してください」
一般的な相場が10日で1割だと勝手に認識していた私は、その話を深く考えることなく契約を交わしてしまいました。
受け取った現金を使ってすぐにクレジットカードの支払いを終わらせた私は、一ヶ月後の返済に向けてお金を集め始めます。
そして2週間程が経った頃、アルバイトの給料が支払われました。
が、生活費を差し引いて返済に回すには、1万円弱足りません。
そこで仲良くなっていたアルバイト先の友達にお願いして、2万円を借りました。
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ヤミ金での増額借入が思い浮かぶ
そう、その時点で私の頭の中には「一旦10万円を返済して、追加で融資してもらおう」という考えが思い浮かんでいたのです。
そして更にこの時点で既に、クレジットカードで多額の買い物をしてしまっており、翌月の支払いが難しい状況になってしまっていました。
すぐに「お金を貸してくれる人」に連絡を取り、返済のためにお店に伺いたい旨を申し入れました。
翌日の朝、同じ風俗店に出向き、まずお礼の言葉とともに10万円を返済しました。
お金を受け渡した直後に、以前交わした契約書を目の前で破り、「君の役に立てたかな?」と優しい言葉をかけてくれました。
ヤミ金で40万円を借りてしまう
この言葉がまさに渡りに船で、「はい。本当に助かりました。
ただ、また新たにお金の融資をお願いしたいのですが・・・」と早速切り出してしまいました。
これには少し驚いた様子で、ですが優しい言葉で「今度はいくら必要なの?」と聞いてくれました。
この優しい言葉で私の中の心のタガが外れてしまい、どんどん深みに嵌っていってしまうことになるのです。
「40万、お願いできますか?」
お金を貸してくれる人は、少しだけ考えた後に、新しい契約書と現金(1割分が引かれた36万円)を用意してくれました。
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ヤミ金で借りたお金を、ギャンブルなどで浪費してしまう
「期日前にこうして返しに来てくれた君は信用できるから、詳しいことは聞かないけど、もしもこのお金が返せなかったら大変なことになるよ?」
その時はお金が手に入った嬉しさと安堵感で、「大変な事」の意味を深く考える事は出来ませんでした。
そして、友人に借りた2万円を返済し私は、新たな愚行に走ります。
多額の借り入れ、支払いを繰り返す事でクレジットカードのショッピング枠はどんどん大きくなり、ある日キャッシング枠が付帯されました。
この辺りからさらに金銭感覚が麻痺し、借り入れしたお金でギャンブルをするようになりました。
こうなると、もう手がつけられません。たいして必要でもなかった追加借り入れしたお金に手をつけ、手元にお金がなくなってしまったのです。
風俗店の人に100万円の借り入れを申し込むも、断られる
そこでもう一度「お金を貸してくれる人」に、相談を持ちかけました。
「緊急でどうしてもお金が必要になってしまったので後100万円お借りできないでしょうか?」
ですがさすがに、今回は借りることは出来ませんでした。
40万の返済も終わっていない状態で、次のそれも100万円という融資は、当然受けることはできないでしょう。
その代わりに、「貸してくれるかもしれない人」を紹介してくれることになり、目の前でその相手に電話してくれました。
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紹介されて行った先には、「その筋」の人がいた・・
「自分に40万の借金があること、100万を希望し、その中からまず40万は自分に返済すること」を私の前で勝手に説明し、アポイントを取ってくれました。
私自身、遊ぶ金欲しさに100万円と言ってはいましたが、実際40万円の借り換えが出来れば良かったのですが、言い出せずじまいでした。
その日の夜、指定されたマンションの一室に出向きました。
部屋のインターホンを押し、招き入れられて真っ先に目に入ったのは、壁にびっしりと飾られた提灯と、狭い部屋で生活しているとみられる、二人のジャージ姿の男性でした。
断ることもできず、100万円を借りてしまう
やってしまった・・・危なく口からその言葉が出るところでした。
奥の部屋へ呼ばれ、スーツ姿の細身の男性が話をしてくれました。
おそらく風俗店で「お金を貸してくれる人」と話していたのはこの人でしょう。
今更なかったことにして欲しいとも言い出せず、言われるがままに契約書に記入・押印し、現金90万円を受け取りました。
そして、保証人の欄に親の連絡先と住所を書かされました。
終始笑顔を絶やさず優しい言葉で対応してくれましたが、「期日は一ヶ月後、金額は100万、万一返せなかったりしたら、本当に大変なことになるからね」と言葉をかけられました。
テレビドラマでよく見るような、借金取り立ての姿が目に浮かんでしまいました。
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ヤミ金で借りたお金はその後どうなったか
悩んだあげく親に全部、白状する
悩みに悩んだ挙句、両親に相談することにしました。
当時の浅学な知識から、お金を借りた相手がヤミ金であったとしても契約書があるのならば、自己破産や任意整理によって守られると勘違いをしていました。
ですから、親へは「ヤミ金から借金をしてしまった挙句、どうやっても支払えないレベルまで来てしまったので、自己破産をしたい」と相談してしまったのです。
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幸運なことに、父親が金融方面に詳しかった!
幸い父親が自営業をしており、かつ金融方面に明るかったのです。
ヤミ金は正規の貸金業登録を行っていないから、ヤミ金と呼ばれている。
法律の下で運営されていないところからお金を借りているために、法律によって守られることがないことも教えてくれました。
そして、そういったらヤミ金から取り立てを受けることは、自分自身だけではなく家族・友人にまで迷惑をかける可能性があるということを、じっくりと時間をかけて説明してくれました。
事実、友人には返済こそしたものの、一生懸命働いてもらったお金を、他人に貸すという負担を強いてしまいました。
私に貸さなければそのお金で美味しいものが食べられたかもしれない、別に支払いがあったのに後回しにして私を救ってくれていたのかもしれない。
そんな思いが駆け巡りました。
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父親が100万円を立て替えてくれた
「少し待っていなさい」
そう言い残して、父親は家を出て行きました。
少しして戻って来た父親の手には、コンビニATMに置いてある封筒。その中には、100万円が入っていました。
一度に50万円しか引き出せないATMだから、2度に分けておろしてきた、と笑いながら渡してくれました。
そして、明日早々に連絡を取り返済してきなさいと。
翌日、すぐに「その筋の人」に連絡を取りました。
ヤミ金だけど、返済には素直に応じてくれた
貸した直後の返済となると、私には興味を失ったようで、
「わかるようにしておくから、事務所に預けておきなさい。契約書は全て用意しておくから、忘れずに持って帰るように。」
と、先日同様、優しい雰囲気は壊さずに、しかし手短に用件を終わらせるように伝えてきました。
すぐに私は、初めに訪れたマンションの一室に出向き、インターホンを押しました。
「わかるようにしておくから」という言葉から、私は「その筋の人」本人は不在だと、勝手に勘違いしていました。
ですが、ドアを開けてくれたのは「その筋の人」その人でした。
中に招き入れてくれ、コーヒーを頂きながら、「役に立った?」と、風俗店の人と同じ言葉を優しくかけてくれました。
その筋の人から、二度とヤミ金を使わないよう、念押しされる
ですが今度は私が答える前に、
「もう二度とここへは来ないことだ。書類を持って早く帰りなさい。」
と矢継ぎ早に、私に言いました。
「ありがとうございました。」とだけ伝えて私はマンションから出ました。
その日から本日に至るまで、風俗店の人やその筋の人(多分、暴力団関係者)のところに、私が足を踏み入れることはありませんでした。
私のヤミ金とのお付き合いは、これで全て終わりました。
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(まとめ)ヤミ金の利用を考えている人へのアドバイス
借金をする前に、身の回りの人に相談して
身の丈に余るお金の使い方をしなければ、余程突発的な事態が発生しない限り、借金をすることはありません。
ヤミ金を利用するのは、本当に最後の手段です。
その前にあなたを助けてくれる人は、他にいるはずです。
私の場合は最終的に親が助けてくれましたが、そもそも私自身が堅実な生活を送れる人間であれば、このようなことには、なりませんでした。
既にヤミ金の利用を決めかけている方は、もう一度だけ踏みとどまって、他の手段を考えてみてください。
ご家族が健在ならば、まずはご家族に相談してみてください。
すでにヤミ金で借りてる人は、一刻でも早く、助けを求めるべき
きつい言葉は、当然浴びせられます。
ですが、何かしら解決の時ための助言をしてくれるはずです。
既にヤミ金から借りてしまった方、当然ではありますが、一刻も早く返済していく方法を考えていきましょう。
これを読んでいるあなたが、ヤミ金とお付き合いする日が来ないことを心から祈っています。