クレジットカードがあると、スマホでの買い物でとても便利です。そんなクレジットカードですが、消費者金融の借入があると、審査に通りにくいという話を聞いたことはあるでしょうか?
今回は消費者金融の借入があると、クレジットカードの審査にどんな影響があるのか解説します。
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この記事の監修者: FP 大泉 稔
明星大学日本文化学部卒業。株式会社fpANSWER代表。専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師。保有資格は貸金業取扱主任者、1級FP技能士、1種証券外務員。趣味は株式投資とスポーツジム。
クレジットカードの審査はどう行われているの?
一般的にクレジットカード会社がクレカを発行する際には、機械が行う「自動審査」と人が行う「手動審査」の2段階で審査を行います。では具体的にどのような手順で、チェックされるのでしょうか?
申込者の情報を点数化される
初めに機械によって、申込者の情報を項目ごとに点数をつける、「スコアリングシステム」が行われます。採点では、もし〇〇の条件に当てはまれば〇〇点と、点数がつけられていきます。
たとえば勤続年数が1年未満なら1点、3年以上なら3点となります。点数が高いほど、信用力が高いとされ、審査に通過する確率が上がります。
評価の対象となるのは、たとえば以下です。
クレジットカード審査で評価となる対象 |
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安定した収入があると、高く評価されます。そのため、パートやバイトよりは正社員であったり、勤続年数が長いほど評価が高いです。
また賃貸よりも持ち家の方が、住宅ローンを組める経済力があることや、お金を貸して逃げられるリスクが低いことから、高い点数がつきます。
<関連記事>:消費者金融の審査担当者に聞いた!審査と取り立ての裏側
在籍確認として勤務先に電話が行く
スコアリングシステムによる自動審査に通過すると、手動審査に移ります。手動審査では、申込者が申告した勤務先に本当に在籍しているか、電話で確認を行う場合があります。
一般的なクレジットカード会社では、ほぼ在籍確認が行われます。申込者が電話に出た場合は、本人であると確認が取れれば、電話は終了するケースが多いです。
場合によっては、生年月日や住所を聞かれることがあります。申込者ではなく同僚が電話に出ても、「〇〇は今席を外しております」と伝えられれば、在籍確認は完了します。
クレジットカード会社は、申込者が申告した職場がウソの情報ではないか、確認するのが目的です。本人が電話に出られなくても、同僚によって在籍している確認が取れれば、それ以上の追及はしません。
<関連記事>:消費者金融・カードローンの在籍確認って怖い?
信用情報がチェックされる
クレジットカード会社は、信用情報機関に登録された申し込み者の信用情報をチェックします。信用情報として登録されているのは、たとえば以下です。
信用情報として登録される内容 |
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これらの情報からクレジットカード会社は、申込者に返済能力があるのかを判断します。クレジットカードを申し込む際には、他社の借入状況を申告する必要があります。
審査に落ちるのを防ぐために、虚偽の借入状況を書いたとしても、信用情報をチェックされるためバレてしまいます。また他社の借入状況の他にも、過去に債務整理などの金融事故を起こしていないか、一度に複数のクレジットカードに申し込もうとしていないかも、確認されます。
<関連記事>:キャッシングの借金履歴(信用情報)はいつまで残る?
どんな人がクレジットカード審査に不利?
クレジットカードの審査は、自動審査と手動審査によって行われることが分かりました。ではどのような人が、審査に不利になってしまうのでしょうか?
1.複数のカードローン会社から多額の借入をしている
消費者金融の借入れがあるだけで、クレジットカードの審査に落ちることはありません。ただ借り方によっては、クレジットカードの審査に不利になります。
審査に落ちやすくなるのは、消費者金融や銀行カードローンから複数の借入がある場合や、借入金額が大きい場合です。2~3社からお金を借りていると、マイナスな印象となり、すでに4社以上から借入れをしていると、審査に落ちる可能性が高いです。
また借入金額が大きいと判断される目安は、年収の3分の1です。この基準を超える借入れがあると、クレジットカード審査に通るのが難しくなります。
<関連記事>:カードローンとクレジットカードとの違いは?
2.過去に延滞があった
過去に借金の返済日を守れず、延滞した場合も、クレジットカードの審査に影響を及ぼします。ただ引き落とし口座にお金を入れておくのを忘れ、2~3日返済が遅れた程度では問題はありません。
延滞の目安となるのは、61日または3か月以上の返済遅れです。たとえ借金を完済したとしても一度延滞してしまうと、5年間は信用情報機関に金融事故の記録が残ります。
3.金融事故情報がある
金融事故情報があると、クレジットカードの審査に落ちてしまいます。延滞以外でも、強制解約をされたり任意整理・自己破産などの債務整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる、「ブラックリストに載る」状態ですね。
債務整理にも種類がありますが、一般的に事故情報の履歴は最長5年間で消去されます。しかし債務整理の中でも強力な「自己破産」をした場合は、最長10年間は事故情報が記録され、新しいクレジットカードを作れなくなります。
4.短期間で複数の会社に申し込みをする
クレジットカードやカードローンの申し込み状況も、信用情報機関に登録されます。短期間に複数のクレジットカードやカードローンに申し込んでいると、「申込みブラック」という状態になります。
申込み情報が信用情報機関に登録されるのは、6ヶ月と言われています。そのため半年以内に4社以上の申込みをしていると、クレジットカード会社の担当者に、お金に困っている印象を持たれます。
クレジットカードの審査に通るか不安でも、一度に複数の会社に申し込むことは避けましょう。
<関連記事>:消費者金融の多重申し込み(申込ブラック)!審査に通るには?
どうすればクレジットカード審査に通る?
キャッシング枠を最小限にする
キャッシング枠とは、クレジットカードを使って現金を借りる限度額のことです。キャッシング枠を0円または最小限にして申し込むと、審査が通りやすくなります。
なぜならクレジットカードは一般的に、ショッピング枠よりもキャッシング枠の方が、審査が厳しい傾向にあるからです。仮にキャッシング枠を申し込んだ場合、クレジットカードのショッピング枠の審査に加え、借金の返済能力も見られます。
また貸金業法により、クレジットカードのキャッシング枠で、50万円以上の借入を希望する場合は、収入証明書の提出を求められます。収入面に不安がある方は、キャッシング枠を最小限にとどめましょう。
<関連記事>:クレジットカードの現金化ってヤバイ?
半年間は、キャッシングの新規申し込みをしない
上でも説明したように、クレジットカードやカードローンの申込み情報は半年間、信用情報機関に残ります。クレジットカードを新しく作りたい場合は、新規のキャッシングは控えましょう。
信用情報機関には、借入件数や返済状況も登録されています。現在、消費者金融で借入をしている場合は、借入残高や借入件数を減らすことで、クレジットカードの審査に通過する確率が上がります。
ウソの申告をしない
審査に通るか不安だからといって、ウソの情報を申告するのはNGです。上でも説明したように、他社の借入や申し込み状況は、信用情報機関を通じてバレます。
また架空の勤務先を申告したり、無職なのに働いていると偽っても、在籍確認でウソだと判明します。その他にも他人になりすますなど、悪質な虚偽申告をすると、カード会社に「社内ブラック」として登録され、二度とその会社のクレジットカードを作れなくなります。
クレジットカードの審査中ではなく、利用後にウソが発覚した場合もペナルティがあります。まずカードは強制解約され、今後カードを利用することができなくなります。
その上で残りの借入額の、一括返済を求められます。故意にウソをついたわけではなくても、カード会社に悪質だと判断されれば、審査に落ちたりペナルティを課されます。
クレジットカードを申込みする際は、正確な情報を入力するよう心がけましょう。
<関連記事>:カードローン審査で年収・勤務先の嘘はなぜバレる?
事故情報が消えるまで待つ
過去に延滞や債務整理をしていても、完済から5年経てば事故情報は消えます(自己破産は最長10年)。金融事故情報があると借り入れ審査には絶対に通過しないので、事故情報が消えるまで待つしかありません。
ブラック履歴が解除されたら、比較的入会しやすいクレジットカードを選ぶことがおすすめです。またクレジットカードの審査を有利に進めたいのであれば、消費者金融やカードローンの借入れを完済したら、契約を解除しましょう。
<関連記事>:カードローンの完済と解約は何が違う?
以上で、クレジットカード審査について見てきました。消費者金融の借入れがあっても、クレカ審査に通らないことはありませんが、借入をしていない人に比べると不利だというのは当然ですよね。
また過去に延滞がある方は、クレカ審査に通過する可能性がないことは、上で見た通りです。自分の事故情報が消えているか不安な人は、信用情報機関に情報開示することをおススメします。
【元銀行員が解説】消費者金融のおすすめランキング!
この記事のまとめ |
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<監修者のコメント>
クレジットカードは消費者金融に較べて身近な印象がありますが、返済が必要(=借金)という点では同じです。いくらカードローンの利用を抑えても、クレジットカードで大量に買い物をしたら、返済に苦しむ点でも一緒です。
消費者金融でもクレジットカードでも、身の丈にあった利用額に抑えましょう。