カードローン利用者にとって、大きな負担になるのが利息です。このため、金利の低いカードローンに対する関心の高い人は多いはずです。
ですが低金利のカードローンでも、利用時に注意すべきポイントが多くあります。ここでは低金利カードローンの選び方と、おすすめの低金利カードローンを紹介します。
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目次
低金利の銀行カードローン、選び方のポイントは?
カードローン各社が提示する金利は、一定の幅があります。これらの中で、どこに注目して選べば良いのでしょうか。
以下では低金利カードローンを選ぶ上で、重視すべきポイントを見ていきます。
金利で選ぶなら消費者金融より銀行カードローン
カードローンの金利相場は、銀行と消費者金融で違いがあります。以下では銀行カードローン・消費者金融の、大手3社の金利を比較しました。
銀行カードローン | 金利(実質年率) |
---|---|
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% |
三菱UFJ銀行 バンクイック | 1.8%~14.6% |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% |
消費者金融 | 金利(実質年率) |
プロミス | 4.5%~17.8% |
アコム | 3.0%~18.0% |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% |
上の表の通り、銀行カードローンの金利は年率2.0~15.0%が相場なのに対し、消費者金融は年率3.0~18.0%が相場です。
金利の低さだけで較べるなら、銀行カードローンの方がお得です。金利でカードローンを選ぶなら、原則として銀行カードローンの中から選ぶと良いでしょう。
<関連記事>:カードローンとは?分かりやすく解説
大手銀行カードローンの金利を比較してみた
一口に銀行カードローンといっても、膨大な数があります。以下の表は、大手銀行カードローンの金利を比較したものです。
カードローン | 金利(年率) |
---|---|
住信SBIネット銀行 Mr.カードローンプレミアムコース | 1.59%~7.99% |
りそなカードローン | 3.5%~12.475% |
イオン銀行カードローン | 3.8%~13.8% |
ソニー銀行カードローン | 2.5%~13.8% |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% |
静岡銀行 セレカ | 4.0%~14.5% |
三菱UFJ銀行 バンクイック | 1.8%~14.6% |
横浜銀行カードローン | 1.5%~14.6% |
住信SBIネット銀行 Mr.カードローン スタンダードコース |
8.99%~14.79% |
千葉銀行カードローン | 1.7%~14.8% |
常陽銀行カードローン キャッシュピット | 2.5%~14.8% |
セブン銀行カードローン | 15.0% |
auじぶん銀行カードローン | 2.2%~17.5% |
オリックス銀行カードローン | 1.7%~17.8% |
こうして見ると上限金利・下限金利がバラバラで、金利幅にも違いがあることが分かります。
最も上限金利が低いのが住信SBIネット銀行(プレミアムコース)、最も上限金利が高いのがオリックス銀行となっています。
金利の比較で重要なのは「上限金利」
上で見たとおり、カードローンの金利はかなり幅があることが分かります。ただし初回契約の場合、借入枠(契約額)は100万円以下になるケースが多いです。
一般的に借入枠が100万円以下だと、その会社の上限金利が適用されます。ですからカードローンの金利を比較する際は、上限金利に着目すべきです。
<関連記事>:カードローン金利の仕組みを解説!金利を下げるには?
低金利の銀行カードローン!利用時の注意点は
金利が低いほど審査は厳しめ
カードローンを使うなら、誰しも金利が一番低いカードローンを選びたいはずです。ですがカードローン選びは、それほど単純ではありません。
カードローンに限らず、銀行ローン全てに言えることですが、金利が低くなるほど審査も厳しくなります。
たとえば上で見た15社の銀行カードローンのうち、最も上限金利が低かったのが、住信SBIネット銀行のプレミアムコース(上限金利7.99%)でした。
実は住信SBIネット銀行には、スタンダードコース(上限金利14.79%)も存在します。誰しも金利の低いプレミアムコースを利用したいと思うはずですが、どちらのコースを適用するかは会社側が決めます。
信用力の高くない人(たとえば年収が低い人)ですと、プレミアムコースに選ばれる可能性は低いでしょう。
低金利のカードローン選びでは、上限金利だけでなく、審査の厳しさも合わせて考える必要があります。
<関連記事>:カードローンの審査の流れと審査基準
銀行カードローンは即日融資できない
現在、銀行カードローンは即日融資に対応していません。
銀行の審査の場合、反社チェック(=申込者が反社会的勢力に該当しないかの確認)に時間がかかるためです。銀行カードローンの審査結果は、最短でも翌営業日、長いと2週間後に通知されます。
それに対して消費者金融なら、最短30分で審査結果が出て、当日中に借入できます。即日融資を希望するなら、消費者金融を選ぶ必要があります。
<関連記事>:即日融資ランキングを解説!どのカードローンが選べばよい?
大部分の銀行は口座開設が必須条件
ほとんどの銀行カードローンでは、その銀行の口座を持っていることが、利用の必須条件になっています。
たとえば(金利の低い)ソニー銀行やみずほ銀行でも、普通預金口座の開設をカードローン利用の条件に挙げています。
イオン銀行は口座を開設しなくても利用可能ですが、申込から借入開始までに1週間程度かかるので、使い勝手がいいとは言えません。
銀行カードローンを利用する際は、口座がないと申込手続きが長引く可能性があることを、頭に入れておきましょう。
地方銀行は利用条件が厳しい
カードローンの基本的な申込条件は、「20歳以上であること」と「安定収入があること」です。
ですが地方銀行の場合、「営業区域内に居住もしく勤務していること」という条件が加わるケースが多いです。
これは横浜銀行や千葉銀行など、大手の地方銀行にも言えることです。金利が低いという理由だけで、地方銀行のカードローンを選ぶのは止めた方がよいでしょう。
<関連記事>:地方銀行カードローンの選び方を解説!おすすめはどこ?
カードローンの金利を下げる方法はある?
ここまで見てきた通り、低金利なら銀行カードローンがおすすめです。銀行カードローンの金利はそれなりに低めですが、さらに引き下げる方法も存在します。
ここでは、カードローンの金利を下げる方法について解説します。
借入枠を増やす
先ほど説明した通り、「初回契約では上限金利が適用されやすい」と説明しました。これはカードローンの金利が、借入枠(契約額)に連動する形で決まるためです。
上の図の通り、借入枠が増えるほどカードローンの適用金利は下がる傾向にあります。
なお初回契約では、借入枠(契約額)が50万円ほどになるケースが多いです。初回契約では上限金利が適用されやすいのは、こうした理由のためです。
ですので借入枠を増やせば、金利を下げることも可能です。ただし借入枠の増枠にあたっては増枠の審査があり、カードローン会社の審査次第では審査落ちもあります。
銀行から引き下げの提案を受ける
カードローンをある程度利用していると、銀行カードローンの担当者から金利引き下げの提案を受けることがあります。もちろん遅延なく返済していることが最低条件です。
ただし、無条件に金利の引き下げを提案される訳ではありません。たとえば収入証明書の提出や、増枠提案とセットである場合が多いです。
会社としても、与信管理の観点で収入証明書は重要ですし、増枠によって融資額も多く見込めるので、お互いにウィンウィンの提案と言えます。
ただし上で見たように、増枠の際は審査が必要です。増枠提案をする営業担当と審査担当が違うので、たとえ会社側の提案でも審査に落ちる可能性があります。
銀行独自の金利引き下げサービスを使う
一部の銀行では、特定商品を利用していると、カードローンの金利を下げてくれるサービスを提供しています。たとえば、みずほ銀行は住宅ローンの利用者に限り、0.5%の金利引き下げを行っています。
<外部の関連サイト>:カードローンについて|みずほ銀行
住信SBIネット銀行は、SBI証券口座に残高があるか住宅ローンを利用している場合、カードローン金利を0.5%下げてくれます。
ただし金利引き下げサービスがあるのは、ごく一部の銀行だけなので、非常に限定的な方法になってしまいます。
<関連記事>:銀行カードローンのデメリット(危険性)とは?利用上の注意点
元銀行員が選ぶ!低金利の銀行カードローン
- 金利が1.8%~14.6%と、大手銀行でも低い水準になっています。スマホから申し込んだ後、ATMコーナー併設のテレビ窓口で契約手続きを行います。
テレビ窓口は他の手続きでも使うので、知り合いに見られても怪しまれません。なお契約手続きには免許証が必要になるので、忘れず持参しましょう。

金利 | 借入限度額 | 年齢条件 |
年1.8%~14.6% | 10万円~500万円 | 満20歳以上65歳未満 |
- 千葉銀行カードローンも、低金利が魅力です。既に千葉銀行の口座を持っていれば、WEB完結で申し込みから借り入れまでスムーズに手続きできます。
ただし地方銀行のため、千葉・東京・埼玉・茨城・神奈川(一部地域)に在住・通勤している場合のみ利用可能です。

金利 | 借入限度額 | 年齢条件 |
年1.7%~14.8% | 10万円~800万円 | 満20歳以上65歳未満 |
- 上限金利こそ高いものの、借入額が100万円を超えると大幅に金利を下げることができます。
提携のコンビニATMが多く、手数料無料で入出金できるのは嬉しいポイントです。また銀行カードローンには珍しく、ネット振込サービスが充実しています。キャンペーンも積極的に行っているので、ぜひ確認してみてください。

金利 | 借入限度額 | 年齢条件 |
年1.7%~17.8% | 10万円~800万円 | 満20歳以上69歳未満 |
- クレジットカード会社「JCB」が提供するカードローンです。最大の魅力はその金利の低さで、上限金利12.5%(年率)は業界でも最低水準です。
さらに初回契約に限り最大2.5か月の無利息が適用され、金利面での魅力は際立っています。難点は審査の厳しさです。安定収入があることは当然として、パートや学生の方は申し込みできません。
他社のカードローンに較べて金利が魅力な分、審査もそれだけ厳しいと考えて下さい。

金利(年率) | 借入限度額 | 年齢条件 |
4.4%~12.5% | 50万円~500万円 | 20歳以上58歳以下 |
- 横浜銀行の最大の特徴が、借入限度額が最大1000万円までである点です。これは消費者金融を含めても、最高水準の金額です。
WEB完結で申し込み・契約・借入ができますが、横浜銀行の普通預金口座を持っていない方は、契約までに口座開設が必要になります。
利用可能エリアは、神奈川・東京・群馬(前橋市、高崎市、桐生市)に限定されます。

金利(年率) | 借入限度額 | 年齢条件 |
年1.5%~14.6% | 10万円~1000万円 | 満20歳以上69歳以下 |
低金利カードローンの借入・返済で気を付けたいこと
そもそも低金利にこだわる理由は、返済負担を少しでも軽くするためです。ですが借入や返済の仕方によっては、金利を下げても返済負担が逆に重くなる場合もあります。
大切なのは金利よりも返済総額
金利が低いと返済負担も軽くなるように見えますが、他の条件次第で逆に返済負担が重くなる可能性もあります。
以下は三菱UFJ銀行のカードローン「バンクイック」で、借入50万円と250万円のそれぞれの場合に、返済シミュレーションをした結果です。
借入金額(金利) | 返済期間 | 毎月の返済額 | 返済総額 |
---|---|---|---|
借入50万円 (金利14.6%) |
40か月 | 15,861円 | 634,440円 |
借入250万円 (金利10.6%) |
150か月 | 30,141円 | 4,521,150円 |
借入が5倍に増えたものの適用金利が4%下がったので、返済金額は5倍未満になると思うはずです。ですが返済期間が大幅に伸びた分、利息の支払額が増えて、返済金額は7倍強になってしまいました。
カードローン利用時は金利だけでなく、返済期間や返済方式にも気をつける必要があります。
<関連記事>:キャッシング利息の計算方法は?
余裕があれば積極的に繰り上げ返済すべき
上のシミュレーションで見たように、金利が低くても返済期間が伸びれば、結果的に返済総額が増えてしまいます。カードローン会社では、毎月最低限支払うべき「最低返済額」が定められています。
ですが銀行カードローンの最低返済額は低めに設定されているので、この通りに返済していると完済までに時間がかかり、利息負担が大きくなってしまいます。
最低返済額にこだわらずに、余裕がある月は積極的に繰り上げ返済するのがおすすめです。
返済がキツいなら、ローンのおまとめ・借り換えを検討
借りすぎで返済が苦しくなったら、「ローンのおまとめ」や借り換えを検討するのも一つの手です。借入先が複数ある場合は一本化する(=債務の一本化)ことで、適用金利を下げて返済負担を軽くすることができます。
また借入先の金利が高い場合は金利がより低い銀行に借り換えることで、返済負担を軽くできます。
こうした債務の一本化や借り換えを専門で扱うローン商品もありますが、扱ってない銀行でも債務の一本化や借り換えに応じてくれる場合はあります。
ただし借り換え前の借入社数が余りにも多いと、ローンのおまとめ審査に通りません。借入先が4社以上あると、審査は厳しくなると言われています。
また借主の信用力が低い場合も、審査に通過するのは難しいです。
<関連記事>:消費者金融におまとめローンを活用!審査上の注意点
そもそもカードローンの金利はどう決まる?
ここまで低金利カードローンについて見てきましたが、そもそも金利はどのように決まるのでしょうか。上でも軽く触れましたが、カードローン金利の仕組みをより詳しく解説します。
金利の上限は法律で規定されている
日本では現在、金利を規制する2つの法律、「利息制限法」・「出資法」が存在します。
<利息制限法>
債務者の利益を保護するために、貸金業者に上限金利を設定している法律です。上の画像の通り、借入金額によって上限金利が違います。
違反した場合、借入した個人は罰則なしですが、貸金業者には(貸金業法の違反により)行政処分が課されます。
また利息制限法の上限金利を上回る利息分は、無効(=払わなくて良い)とされています。
<関連記事>:利息制限法とは?上限金利など分かりやすく解説
<出資法>
出資法は金銭の預かりや出資の受け入れを規制する法律ですが、上限金利についても規制しています。出資法では、貸金業者による貸付金利を年率20%としています。
以前は年率109.5%と驚異的な高さでしたが、段階的に引き下げられ、2010年に現在の水準まで下がりました。これに違反すると、貸金業者は刑事罰を課されます(個人は罰則なし)。
<関連記事>:出資法とは?わかりやすく解説します!
上の説明から分かる通り、貸付金利が20%を上回る貸金業者は、行政処分と刑事罰をダブルで受けることになります。また、これらの法律は貸金業者を対象にしたものであり、銀行は対象外です。
とはいえ銀行カードローンの金利設定は、(たとえ高くても)利息制限法に準じた基準になっています。このため金利が比較的高めの銀行カードローンでも、上限金利は年率18%となっています。
適用金利は借入枠で決まる
上でも触れたように、適用金利は借入枠(契約額)で決まります。以下は三井住友銀行カードローンの、契約額と適用金利についてまとめた表です。
契約額 | 適用金利(年率) |
---|---|
100万円以下 | 12.0~14.5% |
100万円超200万円以下 | 10.0~12.0% |
200万円超300万円以下 | 8.0~10.0% |
300万円超400万円以下 | 7.0~8.0% |
400万円超500万円以下 | 6.0~7.0% |
500万円超600万円以下 | 5.0~6.0% |
600万円超700万円以下 | 4.5~5.0% |
700万円超800万円以下 | 4.0~4.5% |
表にあるように、借入枠(契約額)が大きくなるほど、適用金利は低くなります。
初回契約時の契約額は100万円以下になるのが一般的ですが、信用力の高い(=年収の高い)人なら初回契約でも300万円から500万円の契約額になるケースもあります。
三井住友銀行カードローンでそれだけの契約額なら、7~8%の金利が適用されることが分かります。また初回契約で100万円未満の契約額でも、増枠によって借入枠(契約額)を増やせば適用金利を引き下げることも可能です。
ただし増枠の際には、必ず審査があります。返済遅れが繰り返してる人や信用力の低い人は、増枠審査に通過するのは難しいでしょう。
<関連記事>:消費者金融の金利相場は?金利はどうやって決まるの?
無利息サービスを利用するなら消費者金融の方がお得?
大手の消費者金融では、無利息サービスを提供してる会社があります。初回契約の方に限定されますが、契約日の翌日から30日間は利息がゼロ円になるサービスです(サービス内容は、各社で微妙に違います)。
このサービスを使えば、銀行カードローンよりお得に借りられる場合があります。
以下の表は借入金額10万円で、無利息サービスを提供する消費者金融アイフルと、三井住友銀行カードローンの利息総額を比較しています。
会社名(金利) | 返済期間 | 利息総額(円) | 毎月の返済額(円) |
---|---|---|---|
アイフル(18.0%) 30日間無利息サービス利用 |
1ヶ月目 | 0 | 4,000 |
3ヶ月目 | 2,965 | 4,000 | |
4ヶ月目 | 4,412 | 4,000 | |
5ヶ月目 | 5,730 | 4,000 | |
三井住友銀行カードローン(14.5%) | 1ヶ月目 | 0 | 1,208 |
3ヶ月目 | 3,522 | 4,000 | |
4ヶ月目 | 4,627 | 4,000 | |
5ヶ月目 | 5,697 | 4,000 |
金利は三井住友銀行カードローンの方が低いものの、利息総額は4ヶ月目までアイフルの方が少ないことがわかります。
このように短期間の借入であれば、無利息サービスのある消費者金融の方が返済負担を抑えられます。
<関連記事>:無利息期間のあるカードローンの選び方
ここまで、低金利カードローンの選び方と、おすすめの低金利カードローンを紹介しました。低金利カードローンでも、何を重視するかでベストな商品は異なります。
利用条件や利用方法なども比較しながら、自分に合ったカードローンを見つけてください。
この記事のまとめ |
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